花粉症の舌下免疫療法とは?治療の流れ、治療を受けられない場合

 毎年春が近付くと、花粉症の方は憂鬱な気分になりますよね。花粉を身体に取り込まないように、マスクを着けたり、メガネをかけたりしなければいけず、思うようにおしゃれを楽しめない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 抗アレルギー薬や花粉を寄せ付けないスプレーなど、さまざまな花粉症対策のアイテムが販売されていますが、最近注目されているのが舌下免疫療法です。

 そこで、花粉症の舌下免疫療法について、治療の流れや治療を受けられない場合を紹介します。

花粉症の舌下免疫療法とは?

 花粉症の症状を抑えるために、花粉症シーズンが始まってから抗アレルギー薬を服用する人がほとんどで、舌下免疫療法という治療法を耳にしたことがある方が少ないのではないでしょうか。

 舌下免疫療法とは、その名のとおり、舌の下に薬を入れて服用する治療法です。薬には、抗原エキスと呼ばれる、身体の中で抗体をつくる液体を用います。抗原エキスを体内に取り込む方法には、舌下免疫療法の他、皮下注射がありますが、舌の下の粘膜は薬の吸収率が高く、また、自分で服用できるため、注射が苦手な方、病院に頻繁に通えない方に、舌下免疫療法はおすすめの治療法です。

 舌下免疫療法で用いる薬には、液体薬と錠剤の2種類があります。

舌下免疫療法の液体薬シダトレン

 最近まで、舌下免疫療法には、シダトレンという液体薬を用いるのが一般的でした。

 シダトレンを服用するには、

・舌の裏にスプレーした後、2分間口内に含ませること
・冷蔵保管すること
・12歳以上でなければ服用できない
などの条件があり、毎週通院しなければいけない皮下注射に比べると、時間的、身体的苦痛は軽いものの、2年間服用し続けるのは大変でした。

舌下免疫療法の錠剤シダキュア

 2018年6月にシダキュアという抗原錠剤の販売が開始されました。

 シダキュアには、

・舌下に置いた後、1分間口内に含ませればいい
・常温保管できる
・5歳以上であれば服用できる
などの特徴があります。

シダトレンとシダキュアの比較

 名前が似ているシダトレンとシダキュアですが、それぞれの特徴を比較すると、

・シダトレンは飲み込むのを2分間我慢しなければいけない
→ シダキュアであれば1分間我慢すればいい
・シダトレンは冷蔵保管が必要
→ シダキュアは常温保管できるのでいつでも服用できる
・シダトレンは12歳以上でなければ服用できない
→ シダキュアは5歳以上であれば服用できる
となります。

 一般的に薬が販売開始されてから一年以内は処方日数に制限があり、2週間に一度の通院が必要でしたが、シダキュアが2018年6月に販売開始されてから一年以上経過したため、シダキュアを一ヶ月分処方できるようになり、一ヶ月に一度の通院で済むようになりました。幼稚園を休みたくない子どもでも、仕事を休めない大人でも、一ヶ月に一度であれば通院できそうですよね。

舌下免疫治療の流れ

 一度に大量の抗原エキスを用いると、身体にアレルギー症状が現れてしまうので、舌下免疫療法は長期間かけて治療を進める必要があります。最低でも2年間は毎日薬を服用しなければならず、万が一服用し忘れたり、事情があって服用を止めたりした場合は、治療日数のカウントはゼロとなり、服用を再開した日から2年間再び服用することになります。

 治療を開始する時には、2年間安心して服用し続けられるように、医師とよく話し合う必要があります。舌下免疫治療の流れをみていきましょう。

スケジュールをたてる

 花粉シーズンは治療を始められません。スギ花粉は1月から5月にかけて飛散するので、6月から12月の間に治療を開始します。6月から12月の間に病院を受診するようにし、治療を始める前の1月から5月の花粉シーズンは、抗アレルギー薬などを服用して乗り切りましょう。

血液検査を受ける

 スギ花粉が飛散する時期に鼻水が出たり、目が痒くなったりすると、「花粉症かな?」と自己判断する方が多いですが、鼻水が出ているのは風邪で、目が痒くなっているのは角膜に傷が付いているからなど、花粉症ではなく、別の原因で症状が発症している可能性があります。

 スギ花粉による花粉症であることが確定していなければ、舌下免疫治療を始めることはできません。病院で血液検査をして、検査結果を見て、医師がスギ花粉症だと診断してから治療を始めることができます。

治療を開始する

 舌下免疫治療を始める初日はアナフィラキシーショックを発症するおそれがあるので、病院内で30分程度過ごして様子をみなければいけません。診察を受けて、薬を処方してもらうだけではないので、時間に余裕をもって、病院を受診してください。

治療を続ける

 繰り返しになりますが、舌下免疫療法は最低でも2年間続けなければいけません。長期間かけて治療するため、効果がすぐに現れるわけではありません。毎日服用する自己管理力だけでなく、根気強さも求められます。

舌下免疫療法を受けられない場合

 舌下免疫療法は誰でも受けられるわけではありません。先述した内容を含めて、舌下免疫療法を受けられない場合をみていきましょう。

スギ花粉以外の花粉症に悩んでいる場合

 スギ花粉以外の花粉には対応していません。ヒノキなど、スギ以外の花粉には対応していないので、ヒノキ花粉に悩んでいる方は期待して受診しないように気を付けましょう。

5歳未満(もしくは12歳未満)の場合、妊娠や授乳をしている場合

 先述したように、シダトレンは12歳以上、シダキュアは5歳以上でなければ、舌下免疫療法を受けることはできません。また、妊娠中や授乳中のお母さんも受けられません。

副作用が強い場合

 アレルゲンを体内に取り込んで行う治療なので、強いアレルギー反応が出るかもしれません。また、治療を開始してすぐに副作用が起きなくても、しばらく経ってから起きる可能性もあります。治療中は体調の変化に気を付けましょう。

まとめ

 花粉症の舌下免疫療法について、治療の流れや治療を受けられない場合を紹介しました。

 舌下免疫療法は抗アレルギー薬や皮下注射に比べて画期的な治療法ですが、最低でも2年間毎日服用し続けなければいけません。安心して服用し続けられるように、治療を開始してから終了するまでのスケジュールをたてたり、血液検査を受けてスギ花粉であるという医師の診断を受けたりしましょう。

 もし、舌下免疫治療を開始しても花粉症シーズンがつらければ、点鼻薬治療を併用して行うことで症状を軽減することができます。医師に相談してみてくださいね。

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